母子家庭や父子家庭といったひとり親家庭では、働きながら家事や子供の世話をするので毎日大変です。子供が病気したり、自分が病気したり、日々の生活や、お付き合い、何かとお金がかかります。もう少しお金があれば助かるのに、なんて思ったことはありませんか?

母子父子寡婦福祉資金貸付金は、そんなシングルマザーやシングルファーザーを支援するために、各地方公共団体がお金を貸してくれる制度です。

この記事では、母子父子寡婦福祉資金貸付金の手続きから審査まで解説します。

母子父子寡婦福祉資金貸付金の概要

母子父子寡婦福祉資金貸付金とは、ひとり親家庭の父母などが、都道府県などから借りられるお金です。ひとり親家庭の父母の経済的自立を支援するとともに生活意欲を促進し、その扶養している児童の福祉を増進することを目的としています。

借りられる資金の種類は、下記のように12種類あり、それぞれ限度額や償還期間などが決められています。

利用目的限度額償還期間
事業開始資金事業開始に必要な設備費、機械などの購入資金287万円7年以内
事業継続資金現在営んでいる事業を継続するために必要な商品、材料等を購入する運転資金144万円7年以内
修学資金高等学校、大学、高等専門学校又は専修学校に就学さ資金の種類せるための授業料、書籍代、交通費等に必要な資金高校…月額5万2,500円
大学…月額96,000円
(私立の自宅外通学の場合)
20年以内
技能習得資金自ら事業を開始し又は会社等に就職するために必要な知識技能を習得するために必要な資金【一般】月額 6万8,000円 
【特別】一括 81万6,000円(12月相当)運転免許46万円
20年以内
修業資金子どもが事業を開始し又は就職するために必要な知識技能を習得するために必要な資金月額 6万8,000円
特別 46万円
20年以内
就職支度資金就職するために直接必要な被服、履物等及び通勤用自動車等を購入する資金一般 10万円
特別 33万円
6年以内
医療介護資金医療又は介護(当該医療又は介護を受ける期間が1年以内の場合に限る)を受けるために必要な資金【医療】34万円特別48万円
【介護】50万円
5年以内
生活資金生活を安定・継続するのに必要な生活補給資金【一般】月額 10万5,000円
【技能】月額 14万1,000円
(技能習得)20年以内
(医療又は介護)5年以内
(生活安定貸付)8年以内
(失業) 5年以内
住宅資金住宅を建設し、購入し、補修し、保全し、改築し、又は増築するのに必要な資金150万円
特別200万円
6年以内
転宅資金引っ越し費用26万円3年以内
就学支度資金就学、修業するために必要な被服等の購入に必要な資金小学校 6万3,100円
中学校 7万9,500円
国公立高校等 16万円
修業施設 28万2,000円
私立高校等 42万円国
公立大学・短大等 38万円
私立大学・短大等 59万円
就学 20年以内修業 5年以内
結婚資金子供の結婚資金30万円5年以内
資金の種類

母子父子寡婦福祉資金貸付金の借り方から返済まで

母子父子寡婦福祉資金貸付金を利用したい場合は、どのような手続きが必要なのでしょうか?申請の仕方から返済まで、詳しく解説していきます。

母子父子寡婦福祉資金貸付金を利用できるのはどんな人?

母子父子寡婦福祉資金貸付金を利用できるのは、

  1. シングルマザーやシングルファーザーで、20歳未満の子供等を扶養している人
  2. 寡婦(子が20歳以上になった母子家庭の母)

その他、所得条件などもあるので、詳細はお住まいの地域の窓口に問い合わせてみることをおすすめします。例えば、東京都の場合は、都内に6か月以上住んでいることも条件となります。

また、自治体によっては保証人または連帯保証人が必須の場合もありますので、窓口で説明をよく聞いておきましょう。なお制度全般に共通しますが、保証人等をつけると貸付期間の利率が無利子となります。

母子父子寡婦福祉資金貸付金 相談から返済までの流れ

母子父子寡婦福祉資金貸付金を利用する場合の、相談から返済までの流れをご紹介します。

  1. 相談:住んでいる自治体の窓口に電話し、必要であれば予約を取ります。窓口では、必要な資金の内容、生活収支状況等について確認されます。
  2. 申請:申請書と添付書類を提出します。
  3. 審査:貸付けについて、各相談窓口等で審査を行います。
  4. 貸付決定:貸付けの可否について、通知が届きます。
  5. 資金交付:交付請求書を提出し、資金の交付を受けます。
  6. 償還(返済):貸付け決定時または卒業時等に決定した償還方法通りに返済します。
  7. 償還完了:償還完了後、借用書の返却を受けます。

母子父子寡婦福祉資金貸付金の審査基準

母子父子寡婦福祉資金貸付金の審査では、母親や父親の収入、生活費収支内訳等により返済可能かどうか、面談等により貸付けが自立につながるかどうか等が審査されます。

貸付けが自立に繋がらないと思われたり、返済計画に無理があると判断されたりすると、貸付けを受けられない場合があるため、自立と返済への強い意志を見せることが重要です。

母子父子寡婦福祉資金貸付金の申請に必要な書類

母子父子寡婦福祉資金貸付金の申請に必要な書類は次のようなものです。

  • 戸籍謄本
  • 世帯全員の住民票
  • ひとり親家庭の親または寡婦の方が子を扶養している事実を証明する書類
  • その他資金の種類に応じて必要とされる書類

その他、自治体によっても必要な書類が異なるため、事前に窓口に確認しておくと良いでしょう。特に保証人をつける際には、保証人の方の戸籍謄本、住民票、所得証明書を求められることがあります。

審査の所要時間/借り入れまでにかかる日数

審査にかかる期間は、自治体によって異なりますが、3か月程度かかる場合が多いようです。

申し込んですぐに借りられるわけではないので、困窮して切羽詰まる前に、早めに窓口に相談されることをおすすめします。

修学資金の限度額は学校、学年によって異なる

子どもを育てる上で一番お金がかかるのが教育費です。入学金や授業料に利用できる修学資金は、学校が国公立か私立か、あるいは自宅から通えるかどうかなどにより、限度額が細かく決められています。下の表は国公立の場合の借入限度額ですが、私立の場合は限度額がさらに大きくなります。

限度額(月額)
高校(自宅)2万7,000円
高校(自宅外)3万4,500円
高等専門学校(自宅)3万1,500円(4、5年次は6万7,500円)
高等専門学校(自宅外)3万3,750円(4、5年次は7万6,500円)
専門学校(自宅)6万7,500円
専門学校(自宅外)7万8,000円
短期大学(自宅)6万7,500円
短期大学(自宅外)9万6,500円
大学(自宅)7万1,000円
大学(自宅外)10万8,500円
大学院(修士課程)13万2,000円
大学院(博士課程)18万3,000円
国公立の場合の修学資金借入限度額

返済方法

母子父子寡婦福祉資金貸付金は、金利1.0%という低金利で借りることができ、利息の負担が抑えられます。また、連帯保証人を立てて無利子で借りることもできることは述べたとおりです。

返済期間は、資金によりますが、最大20年まで設定できるので、無理のない返済計画を立てることが重要です。

返済方法としては、毎月返済する方法、半年ごとに返済する方法、1年ごとに返済する方法があります。借り入れの時に返済計画を立てて、その期日までに返します。万が一延滞した場合は、延滞利息がついてしまうので、気をつけましょう。

相談窓口

母子父子寡婦福祉資金貸付金を借りたい場合は、住んでいる自治体の窓口に相談します。福祉課などが担当窓口となっていますが、最寄りの市役所や区役所などに問い合わせすると良いでしょう。

母子父子寡婦福祉資金貸付金の注意点

母子父子寡婦福祉資金貸付金は、生活保護を受けている場合、貸付けの対象外となり、審査が通りません。また、金融機関から多額の借入がある場合は、返済が難しいとみなされて審査に通りにくい場合があります。

逆に、収入が高い場合も、借り入れの必要がないとみなされて審査に通らない場合があります。母子父子寡婦福祉資金貸付金は無利子あるいは1.0%の低金利で借りることができますが、期日までに返済しないと、違約金(延滞金)を支払う必要があります。

延滞金は、元利金額につき年3%(令和2年3月31日までは年5%)です。返済も計画的にしっかりと行いましょう。

相談はお早めに!

仕事と子育ての両立で、日々忙しくしているシングルマザーの方などは、やることがたくさんあると思います。 しかし資金が必要と分かったら、審査に時間がかかることを見越して、早めに窓口に相談に行くことをお勧めします。生活資金がカツカツになる前に、手を打っておきましょう。