ローンなどの金銭取引において、返済を怠ると遅延損害金が発生します。

遅延損害金とは、金銭に関わる取引において、借りた人が定められた返済日までに支払いをしなかった場合、返済が行われなかった期間を損害とみなし、相手方に損害賠償として支払わなければならない金額をいいます。

この記事では、クレジットカードを利用している方に向けて、遅延損害金の計算方法、遅延損害金が発生するタイミング等についてお伝えしていきます。

遅延損害金とは?

遅延損害金は、金銭債務に対する一定の料率に基づく利息という形で支払われます。この利息を遅延利息と言います。

遅延利息は法定利率もしくは約定利率に基づいて算出されますが、2020年4月1日より改正民法が施行となり、法定利率が変更されたので注意が必要です。

変更点は2つあります。

1つ目は旧民法では年5%としていた法定利率が改正民法では年3%に引き下げられること。2つ目は、固定制から3年に一度見直しを行う変動制にすることです。

よって、遅延損害金の計算の基となる遅延利息の法定利率が引き下げられるので、遅延損害金が従来より少なくなることが予想されます。ただし、民法改正前に生じた元本に対して発生する利息は、2020年4月1日以降も旧民法の法定利率である5%になることに注意が必要です。

法定利率と約定利率の違い

法定利率とは、法律によって定められている利率をいい、約定利率とは、当事者間の合意によって定められた利率を指します。

法定利率は法律によって定められているため、当事者間で利息契約を締結していなくても、法定利率に基づいて算出された利息は発生します。

よって、約定利率を定めていない場合は法定利率によることになります。

遅延損害金はいくら?

貸金業者・金融機関からの借入の場合

貸金業者・金融機関から借り入れを行う場合の遅延損害金は法定利率によって算出されます。遅延損害金の計算式は次の通りです。

遅延損害金=借入額×遅延損害金年率×延滞日数÷365

貸金業者・金融機関からの借り入れについては、遅延損害金年率の上限利率が20%と定められています。実際に20%近い遅延損害金年率を定める貸金業者・金融機関が多いです。

借入額を30万円、30日(1ヶ月)と90日(3ヶ月)滞納した場合の遅延損害金を計算してみましょう。

計算式遅延損害金
30日滞納30万円×0.2×30÷3654,931円
90日滞納30万円×0.2×90÷36514,794円

30万円を1ヶ月間延滞した場合の遅延損害金は4,931円、3ヶ月延滞した場合は14,794円となります。

次に、多くの貸金業者・金融機関がカードローンの借入上限額として設定されている800万円を借入額として、同様に30日(1ヶ月)と90日(3ヶ月)滞納した場合で計算してみましょう。

計算式遅延損害金
30日滞納800万円×0.2×30÷365131,506円
90日滞納800万円×0.2×90÷365394,520円

カードローンの上限額いっぱいに借り入れを行い、1ヶ月延滞すると131,506円、3ヶ月延滞すると394,520円の遅延損害金が発生することになります。

個人間の借り入れの場合

個人間の借り入れの場合では、法定利率ではなく約定利率によって算出されます。約定利率は基本的に自由に設定して良いため、遅延損害金も自由に設定されるものだと解釈できます。

しかし、貸金業者以外から受ける借入における遅延損害金の上限利率は、利息制限法で定められている通常利息の上限金利の1.46倍と定められています。

通常利息の上限金利は借入額に応じて定められているので、遅延損害金の上限利率は以下のようになります。

借入額通常利息の上限金利遅延損害金年率の上限
10万円未満年20%年29.2%
10万円以上100万円未満年18%年26.28%
100万円以上年15%年21.9%

遅延損害金年利の上限が適用されるとした場合で、10万円を3ヶ月、50万円を3ヶ月延滞した場合の遅延損害金を計算してみましょう。

計算式遅延損害金
10万円10万円×0.292×90÷3657,200円
50万円50万円×0.2628×90÷36532,400円

遅延損害金年率の範囲内であれば、当事者間で自由に約定利率を決定できますが、当事者間の公平性を害するほどの過大な利率は設定できないので注意が必要です。

遅延損害金が発生するタイミングは?

遅延損害金は返済日の翌日から発生するため、法律上1日遅れただけでも遅延損害金を支払わなければなりません。遅延損害金は、本来の返済額に加算されます。

遅延損害金の支払期日は、遅延損害金が発生した日の翌々月以降となるのが一般的です。

返済を延滞すると信用に傷がつく?

返済を延滞すると信用に傷がつきます。しかし、延滞する期間によって傷のつき方が異なります。

貸金業者や金融機関は、返済期日を延滞した借入人を延滞者として記録を残します。数日程度の延滞であれば、一過性のミスとして扱われ信用に傷はつかないと言われています。

しかし、2ヶ月以上延滞すると、信用情報機関に事故者として記録が残りますから、信用に傷がつきます。いわゆるブラックリストになってしまうのです。

ブラックリストになってしまうと新たな借入れは難しくなってしまいます。また、社会的信用を失うことを意味するので、クレジットカードを利用はもちろん、各種ローンの利用や不動産の賃借ができなくなるので注意が必要です。

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クレジットカードの遅延損害金は2種類ある

クレジットカードを利用した場合に発生する遅延損害金は、ショッピングを利用する場合とキャッシングを利用する場合で異なります。

ショッピングを利用する場合は消費者契約法に基づく遅延損害金が発生し、キャッシングを利用する場合は利息制限法に基づく遅延損害金が発生します。

ショッピング利用とキャッシング利用の利率の違いについて、以下の5つの金融機関が提供するサービスで比べてみましょう。

イオン銀行オリックス銀行みずほ銀行
ショッピング利用年13.5%記載なし記載なし
キャッシング利用年14.5%年借入利率+2.1%年19.9%

まとめ

返済を延滞した場合に発生する遅延損害金についてみてきました。

遅延損害金には法定利率と約定利率があり、約定利率の計算式は「遅延損害金=借入額×遅延損害金年率×延滞日数÷365」です。約定利率は個人間で決定する利率でした。

遅延損害金は返済を1日遅れただけでも発生しますが、数日程度の延滞であれば信用に傷がつくことはないでしょう。

しかし2ヶ月以上になるとブラックリストに登録されてしまうので注意が必要です。そのためにも、支払期日に送れることのないように計画的に返済していきましょう。