「クレジットスコア」という言葉をご存知でしょうか?日本ではあまり聞きなれない言葉ですが、海外では融資を受ける際やクレジットカードを作る際に使われています。

クレジットスコアは「信用スコア」をはかるものです。信用スコアとは個人の信用力を数値化したもので、これが低いと不利益を被る可能性があります。本記事ではクレジットスコアはどのようなものか紹介し、今後日本でも活用されていくのかを解説します。

クレジットスコアとは何?

まず、クレジットスコアとは何かについて紹介します。何を指標とするのかを知ることで、自身のスコアにどう影響するのか想像できるでしょう。

人の信用力を測る尺度 

クレジットスコアとは、元々、クレジットカード会社が各社内で活用してきた信用情報を点数化して表したもので、個人がクレジットカードを作る際やお金を借りる際、参考にされる指標となっています。住所や氏名、電話番号などの個人情報や借入金残高、クレジットカード使用状況、返済状況などが含まれることが一般的です。さらに近年では、利用者から申告された情報やインターネット上の各種サービスの利用状況を信用情報として数値化し活用する動きもあります。

特に米国には多くのクレジットスコアを算出する企業が存在します。中でも有名なのがフェア・アイザック社(Fair Isaac Corp.)が算出する「FICOスコア」です。なお「FICOスコア」に関する詳しい内容は後述します。

クレジットスコアで重視する指標 

クレジットスコアで重視される指標は、クレジットカードの履歴や融資の借り入れ状況です。クレジットカードであれば、所有枚数や利用状況、滞納の有無などが挙げられます。

一方、融資においては、滞納や金融事故などの有無が確認事項です。これらの指標にプラス要素が多いほど、信用度が高い人としてスコアが上がる仕組みとなっています。

海外におけるクレジットスコアの基準

海外では、具体的な指標を立ててクレジットスコアを活用しています。今回はアメリカや中国の例について見ていきましょう。 

アメリカは「FICOスコア」が基準

アメリカのFICOスコアは、1991年から国内の信用スコアの標準として扱われています。アメリカでは支払いにクレジットカードを使用することが主流であるため、日本よりもクレジットスコアが普及しているのです。

スコアの指標となる項目は、日本のローンの申し込みやクレジットカード取得の際に照会される「信用情報」と似ています。スコアの算出に影響する要素では、返済履歴(35%)と借入残高・利用率(30%)が大きな割合を占めています。

この他にも信用履歴の長さ(15%)やクレジットの種類などが影響しますが、性別や年齢、住所、収入、勤務先などの個人情報は影響しません。

FICOスコアの見方

基本スコアは、300~850点の範囲で、以下のように評価がつけられています。

  • 760点以上 excellent
  • 725点以上 very good
  • 660点以上 good

660点以上のスコアの人はプライム層と呼ばれ、信用度が高いとされています。660点に満たない人はサブプライム層と呼ばれ、信用度が低い評価となっています。点数が高いほど、クレジットカードの発行や住宅ローンの金利などで優遇されます。

中国は「芝麻信用(セサミクレジット)」が基準

中国における信用スコアは大別すると2種類あり、地方政府系と、民間系があります。民間系の代表的な信用スコアとして、芝麻信用(セサミクレジット/ジーマ信用)が挙げられます。セサミクレジットは、中国のアリペイという電子決済サービスと連携した信用度スコアです。アリペイの決済情報から、独自の分析を行っています。

セサミクレジットでは、以下の5つの要素を元にスコアを算定しています。

  1. 身分特質(年齢、学歴、職業など)
  2. 履行能力(過去の支払い状況や資産など)
  3. 信用歴史(クレジットの利用履歴など)
  4. 人脈関係(交友関係や相手の信用状況など)
  5. 行為偏好(消費や購買の傾向など)

セサミクレジットのスコアは5段階評価となっており、スコア600点以上が信用度が高い人として扱われます。金利の優遇だけではなく、賃貸物件の契約時に敷金を免除されたり、デポジットを免除されたりと、生活のあらゆる場面でこのスコアの指標が活用されています。

クレジットスコアのメリットとデメリット

人々の信用度を数値化しているクレジットスコアには、どのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。それぞれについて解説します。

クレジットスコアがもたらすメリット

クレジットスコアのメリットは、客観的なデータをもとに個人の信用度を容易に測れることです。その人の印象や経歴などの大まかな情報からの評価ではなく、一定のデータからAIがスコアを算出するため、主観に左右されない判断ができます。

利用者にとっては客観的なデータによって評価を受けられるという安心感もあるでしょう。さらに、高いスコアが出た場合には、融資での金利や生活などで優遇が受けられる可能性があり、信用度が生活の潤いにも大きく関わってきます。

クレジットスコアがもたらすデメリット

クレジットスコアのデメリットは、スコアに反映されない要素があるということです。AIによってスコアが算出されるため、個人のエピソードや状況をスコアに含めることは難しいでしょう。

また、一度の返済遅れがそのままスコアに反映してしまうため、日々の生活においてより注意して行動する必要があります。

日本におけるクレジットスコア導入の動向

日本でもクレジットカードやQRコード決済などを活用したキャッシュレス化が進んでいます。そのような状況の中、日本においてもクレジットスコアの導入が徐々に進みつつあるのです。今後、日本ではクレジットスコアがどう活用されるのか、その方向性についてみていきましょう。

AIによるスコアリングがスタート 

日本で初めてAIスコアリングを開始したのが「J.Score(ジェイスコア)」です。個人における属性や職種、生活状況、借り入れ状況などの情報を点数化し、1000点を満点として評価します。

ジェイスコアはみずほ銀行とソフトバンクによって設立されたフィンテック企業で、銀行の金融取引データや携帯電話の料金支払いデータも分析対象です。 スコアに応じて借り入れ条件の優遇や提携企業の特典を受けることができるなど、着実にサービスが展開されています。 

日本でも普及の可能性はある 

J.Scoreをはじめ、現在複数の信用スコアサービスが開始されています。今までの個人信用情報にくわえ、サービスを提供している各社が持つ個人データを活用するものも登場しました。

日本でもクレジットスコアは徐々に普及している状況といえるでしょう。しかし、各社サービスが乱立している状況でもあるため、今後日本において主流となるクレジットスコアはまだ不透明な部分もあります。クレジットスコアの活用に関する法規制が必要になるかもしれません。

一方で、個人の信用情報ではなくスコアで信用度が決められるようになれば、その結果として信用度スコアによる格差が生まれてしまう懸念もあります。こうした不安を持つ方への配慮がなされたサービスが展開されれば、日本でも一気に普及する可能性があるのではないでしょうか。

導入後にも対応できるように使い方には注意

今回はクレジットスコアの紹介と、日本における今後の見通しなどについて解説しました。クレジットスコアの数値は、普段使っているクレジットカードの支払い状況やローンの返済状況などから算出されます。

そのため、金融事故を起こすとたちまち自分の信用度を下げてしまい、その後の生活に大きな影響が出る可能性もあります。今後日本でもさらに普及する可能性があるうクレジットスコアに対応するためにも、今のうちから計画的なお金の使い方をマスターしていきましょう。